再会した幼馴染に溺愛されています。

「あっ、滝口くん!」


私が舞と雑談をして落ち着いてたところで斉藤さんが大きな声で冬馬の名前を呼ぶ。


昨日までの朝はそんなこと言わなかったのに。
……もしかして私を排除したつもりでいるからわざとらしく言ってるのかな?


だとしたら酷いよ。
違う事を願うけど……。


「見え透いた態度だしあからさまだね〜…気にしないで秋穂。」


やっぱり舞も同じように感じたみたいで私を心配してくれた。


一方で冬馬はというと駆け寄る斉藤さんに「……おう」とだけ返すとまっすぐに私の方へ歩み寄ってくる。


困ったなあ……。
今だけは来ないでほしいのだけど。


どんな顔して話せばいいかまだ分からないんだよ……。


「アキ……体調大丈夫なのか?夜もLINE返ってこなかったから心配したぞ」


「……うん。本調子ではないけど休む程でもないから」


昨日はスマホ放置してたけど……本当に私を心配してるのか分からない。
あの娘がいながらそんな優しい態度って、自覚ないのかな?


罪だよ冬馬……。
< 85 / 224 >

この作品をシェア

pagetop