再会した幼馴染に溺愛されています。
「そっか……それなら良いんだけどさ。今日も一緒に帰れねえのか?」
「……うん。ごめんね。」
ついに私は冬馬の目も見れずに返した。
私と歩いてるところ見られたらどうするの?
あの娘が私と帰ってる冬馬を見たら私と同じ気持ちになるんじゃないのかな。
恋敵とはいえこんな辛い思いはしてほしくない。
夏菜は気にせず自分の事だけ考えろって言ってくれたけど、私の性格では無理みたい。
「そうか……そういう事なら仕方ないし、早く良くなるといいな」
「ありがとう」
周りの視線も痛いし、こんなところで話す事は無いよね。
場所変えたとしても同じような態度とっちゃうと思うけど。
「おう……じゃあな。」
冬馬は私の態度に戸惑ったのか少し悲しそうな表情で自分の先へと座り、いつもの読書タイムに入った。
冬馬はそんな顔しないでよ。
私はもっと悲しいんだよ。
貴方はなんでそんなに鈍感なのよ……。