再会した幼馴染に溺愛されています。
俺はロッカーの傍に佇む美咲を見つけて声をかける。
「美咲、待たせて悪いな。」
「まったくウチを待たせるなんて良い度胸してるな!」
俺は淡々と授業をこなしてこの放課後を待ったんだ。
結局アキと話すことは出来なかった。
たった二日ばかり話す時間が無いだけで俺はおかしくなりそうだ。
「トマト……秋穂ちゃんの事で何かあったんでしょ?」
「……バカ言ってんじゃねえよ、早く行こうぜ。」
素直に助けろと言えれば俺も可愛いのかもしれないが、どうしても強がっちまう。
「はあ……待て待て、どこに行くか何を見たいのかも決めてよ!」
「そういやそうか。美咲が決めろよな、お前の方が詳しいだろ。」
それに俺はまたこの街に越して来た身だから土地勘も無い。
「ウチの友達から聞いたんだけど、良さげなショップが近くにあるらしいよ。」
「ほう……よくやった。そこに行ってみるか……。」
俺はまだあの胸騒ぎが身から離れてないが、今は気にせず美咲と楽しむしかない。
お互いたくさんのプランを言い合ってその場で盛り上がる。
やっぱ美咲と話すのは気楽だ。