同居人は無口でクールな彼
第10章 波乱の文化祭
無事に中間テストが終わると、学校は文化祭一色になった。
まだ全てのテストが返却されていないときから、みんな浮き足立っていた気がする。
結果が良くても悪くても、関係ないみたいに。
わたしたちのクラスは、順調に文化祭の準備が進んでいた。
代表が翔哉だったけれど、予想通りあまりリーダーシップは発揮されていなかった。
でも、何とか完成しそうだった。
「うちら、余裕じゃない?」
「隣のクラスまだ半分も出来てなかったよ」
文化祭の前日は、余裕を見せる人が大半。
中には真面目に準備に参加しない人も現れた。
そして、この準備最終日に事件が起こるなんて思ってもみなかった。
「ねえ、もう少し血のり増やさない?」
「あ、それいいかも」
「赤いペンキないの?」
「もうないよ」