同居人は無口でクールな彼

「ありがとう」って――


「本当はね、ずっと言いたかったんだ。鈴香ちゃんが友達だって。それに教室でも仲良くしたかった」


わたしが意地をはらなければ、最初から２人だけでおしゃべりできていたかもしれない。


「でも、いいの？のんちゃん……さっきの子たち……」


あの様子だと、もうのんちゃんとは仲良くしなさそうだ。

せっかくクラスの女子とあんなにうまくやっていたのに。


「いいの。鈴香ちゃんの方が大事だもん。それに、あの子たちとは、合わないなってずっと思ってたの」

「のんちゃん――」

「これからは教室でもたくさんお話ししようね。あ、漫画の話は内緒だけど」

「ふふ……うん！」


きっとどうしてわたしたちが友達なんだと誰もが思うかもしれない。

でも、わたしたちにとって、この選択がベストであってほしいと――

切にそう思った。