同居人は無口でクールな彼



あんなに一緒にいることを嫌がっていたのに。

翔哉くん、少しずつ変わろうとしてくれてるの……?


「のんちゃん、灰谷くん!翔哉くんが一緒にまわってくれるって」


うれしくて、すぐに2人に伝えると、のんちゃんがニヤニヤ笑い始める。


「ふーん、篠原素直じゃないんだから」


その言い方はまるで挑発しているかのようにも見えた。

案の定、後ろを振り返ってみると、拗ねたような翔哉くんがいて――


「絶対、一緒に行かねー」


何度もそうつぶやいていた。



でも、次の日――

翔哉くんは、わたしたちとずっと文化祭をまわってくれたんだ。




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