同居人は無口でクールな彼
第11章 4人ぼっち
それから、クラスの雰囲気は一変した。
あんなにのんちゃんの席に集まっていた女子たちは、だれ一人として来なくなった。
灰谷くんは誰とでも分け隔てなく話をするけど、結局は決まったグループに戻ってくる。
そう……わたしたちは4人で行動を共にするようになっていたのだ。
「ねえ、例のあれなんだけど。2人でポスターを貼るシーンがあるの」
「俺無理かも。鈴香ちゃんはいける?」
「写真があれば」
「だよなー。俺も」
わたしたちは、のんちゃんの希望通り漫画のことは一切口に出さずに、会話をする。
不思議だけれど、なんの打ち合わせもしていないのに、通じるんだ。
「写真取らないとね。灰谷と篠原にお願いしたいんだけど」
「俺は大歓迎!だけど……」
のんちゃんが描いているのはBL漫画。