同居人は無口でクールな彼
第2章 冷たい同居人
たった2日だけなのに、神経をすり減らした気がする。
知らない人の家で暮らすというのは、そういうことだった。
「鈴香ちゃん、自分の家だと思ってゆっくりするといい」
おじさんも優しい人で、初めて会った晩にこう声をかけてくれた。
居心地が悪かったわけじゃないけれど、どこか落ち着かない。
結局たった2日の休日では、篠原くんとの距離は縮められないまま。
気づけば月曜日の朝を迎えていた。
「そう言えば、鈴香ちゃんは翔哉と同じクラスなんだっけ?」
おじさんからの突然の質問に、口に含んだご飯を慌てて飲み込んだ。
「はい、同じクラスです。篠原くんと」
「鈴香ちゃん、おじさんも一応篠原くんだから、翔哉のことは名前で呼んでやって」
おじさんに言われて、思わず息をのんでしまう。