私の希望と、僕の光
「ねえ、最近どこにいるの、あかり」

「え、なんで?」

「最近放課後さ、家行ってもいないから」

「んー、用事」

そう言って逃げることしか出来なかった。あの彼と会ってるんです、なんて言えるわけがなくて。家にも外にも居場所がない私は、彼を頼ることしか出来なかった。だって、彼が唯一私の話を喜んで聞いてくれて、ちゃんと私の目を見てくれるから。それだけでも、嬉しかったから。

「…お疲れ様です」

「お、今日も来たんか」

「はい」

「…どうしたん。元気ないやんか」

そう言うところだけ、鋭いんだ。分かってほしくないところを分かられるのって、少しだけ辛い。
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