雪のように真っ白な心を情熱の赤に染めて~強引なイケメン過ぎる御曹司は甘くて熱い愛を注ぐ~
めっちゃ仲良しなんやから聞いても良かったかもしれん。


でも…


どうしても聞かれへんかった。


夢芽と幸斗みたいな「親友」の関係にはなりたくなかったから。


ずっと自分を誤魔化してきたんや、私は。


『幸斗、マジなんやな』


『…うん、そうだね』


切なくうつむく幸斗を見るのはつらい。


『律君のこと好きなんや…』


『うん、すごく好きだよ。律君は王子様みたいな人だから。みんなの王子様を好きになんかなっちゃダメだよね。わかってるんだ。わかってるんだけど…どうしようもない。この気持ちは変えられない』


幸斗の真っ直ぐな想いが私の胸に伝わる。


『うん…わかるよ。めっちゃわかる。私かって同じやから』


その言葉に、幸斗は私を見た。


『明音?明音も律君のこと好きなの?』


『まさか。律君はカッコいいけど、好きにはならへんかった。だってな、私の近くにいつも律君より何倍もイケメンで優しい人がおるから』
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