雪のように真っ白な心を情熱の赤に染めて～強引なイケメン過ぎる御曹司は甘くて熱い愛を注ぐ～

『あ、ありがとう。うん、いまさら標準語とか話すの無理やし…このまま関西弁で突っ走るわ』


元気に笑う明音。


その楽しそうな2人のやり取りに、沙織ちゃんはちょっと不服そう。


『ねえ天沢さん、仕事中なんじゃない？時間は大丈夫？』


幸斗も何かを察してすかさず話を切り替えた。


『仕事はこれからなんだ。あと、律でいいよ。みんなのことも名前で呼んでいい？』


やっぱり律君も積極的だ。


『もちろん～沙織って呼んでね』


満面の笑みで律君だけを見て…


これぞ「The 女子」っていう感じ。


明音とのさっきまでのやり取りはもう忘れてしまったようだ。


ある意味、すぐに気持ちを切り替えることが出来て幸せな人なのかも知れない。


きっとこういうとこが沙織ちゃんの良さでもあるんだろう。


今の私には…


残念だけど、沙織ちゃんみたいなキラキラした笑顔は出せない。