雪のように真っ白な心を情熱の赤に染めて~強引なイケメン過ぎる御曹司は甘くて熱い愛を注ぐ~
とっくに未練なんか無いし、浮気したやつなんかさっさと忘れてしまえばいいのにって毎回思う。


バカだよ、私は…


『ほら、ぼーっとするな』


誰かにちょっとぶつかった。


『あっ、すみません!』


謝ってすぐに相手の顔を見る。


『うわ!!』


その瞬間、思わず仰け反った。


『何だよ、お化けでも見たみたいに』


『だ、だって…何でここにいるの?何してるの?』


『何って、何でもいいだろ』


『え…もしかして1人?』


『ひ、1人だ。悪いか』


そう言ってちょっと照れたように戸惑ってるのは、私がバイトしてる先の年下君。


『悪くないけど…こんなクリスマスツリーがキラキラしてるところに男1人って…』


『って、お前もだろ。女1人で』


『わ、私は…』


何か言い訳したかった。


これから彼氏に会うとか。


でも、いないのに嘘はつけない。
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