不運なことが幸運を生んだ
「お仕事は何されてるんですか?」
「音楽関係です。」
「作詞作曲家さん?」
「うーん。まあ、そんなとこです。」
「すごいですね。才能あっていいなあ。私にはないから。」
「そんなことないですよ。看護師さんができるのは、立派な才能です。俺には無理です。」
笑いあった。私には、照れもあった。

「今日は、お仕事は?」
「今日は、このあと、仕事です。」
「そうなんですね。大変ですね。」
「楽しいんですよ。良かったら、今後、聞きにきませんか?」
「え?」
「バンドなんですけど、少しでも興味があれば・・・。」
「バンドですか?そう、普通のバンドですけど。」
「行きたいです。最近は全然ですけど、昔はよくライブハウスとかに行ってたんですよ。」
「じゃあ、ぜひ。チケットできましたら、お渡ししますね。」
「はい。」
「今日は、これで、失礼します。」
「はい。ありがとうございます。」
おごってもらってしまった。

『なんか、どんどんはまっていくんですけど。バンドマンとか、最高潮にカッコいいじゃん。』
ウキウキしてしまった。
『しまった。変に期待したら、落ち込むだけだ。しっかりしろ私。』
また、自分を戒めた。
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