不運なことが幸運を生んだ
「実はさ、今日、夜勤明けで、車ぶつけられたの。信号待ちしてたら、後ろからドーンって。」
「えー最悪。ケガは?」
「ケガはない。ほとんど徐行でぶつけられたから、大丈夫。
 でもさ、そんなことより、ぶつけた人がイケメンで。」
あやめが笑った。

「でた。イケメン好き。」
「そう。めちゃイケメンなの。びっくりした。」
「不幸中の幸いってやつ?」
「そうだね。彼氏に振られるは、ぶつけられるは・・・でついてないと思ったけど、十分だわ。」
「それで?」
「それだけ。あっでも、連絡先は聞いたよ。まあ、警察が当人同士で連絡交換するよう言ったからだけど。」
「なんかあるかもよ?」
「ないない。あんな、イケメン。妻子か彼女いるって。でも、目の保養にはなった。」

そんな会話をしながら、飲んでいた。
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