【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
ため息まじりで頭を抱える。
朔夜くんにとったら、『急に何があった?』って感じだよね。
わたしの中では、入学式の日のことや、クッキーをあげたときのことや、昨日のデートで凌玖先輩と過ごした時間があるから。
だからこそ、この気持ちは伝えておくべきだよね。
「わたしね、藍澤先輩のこと……」
そう、言いかけたとき。
「歌桜、おはよう」
「っ……! 凌玖先輩っ。お、おはよう、ございます……!」
軽く手を振る凌玖先輩が迎えにきてくれた。
その姿はいつにも増してキラキラしてて。
わたしだけの世界に恋のフィルターがかかったみたいに輝いて見えた。
目があっただけで恥ずかしさを刺激されて、つい目線をほかに移してしまう。