【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
昨日まで話せてたのがどっかいっちゃった。
「その顔って……。マジかよ……」
「関本。歌桜から聞いた?」
わたしが沸騰してる間に、凌玖先輩が朔夜くんに問う。
朔夜くんは眉をひそめて、ケンカ腰で答えた。
「なにをですか?」
「朝のこと。俺も、歌桜と登校したいから、ふたりきりにさせてくれない?」
「っ……」
凌玖先輩が伝えてくれてるのは聞こえるけど、朔夜くんの表情は見えない。
ひどく傷ついた顔をしていることに気づかなかった。
「〝俺も〟って、歌桜がそうなりたい前提で聞くなよ……。余裕かよ……」