【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。


やった……!



「クラスも一緒だから俺のほうが歌桜といられるし。小さいころからの歌桜を知ってるのは俺だしな」



わたしに言ってるのに、なぜか得意げに凌玖先輩に視線を送った。

それを受け取った凌玖先輩は、目を細めて遠くを見る。



「それは羨ましいな。もっと前から歌桜と出会ってたら、過ごした時間は違ったんだろうな……」



ただただ純粋に、羨ましそうにしてた。

凌玖先輩と早く出会ってたら、どうなってたんだろう。


それでもこんなふうに話してたのかな。

そしたら、この気持ちをもっと前から伝えることも……。



「けど、これからの歌桜の気持ちを変えるのは、いまの時間を過ごしていく俺だから。絶対に譲る気はない」

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