【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。


わたしの手を掴んで体を引き寄せた。

近くなる距離にまたドキドキして。

凌玖先輩の全部にときめく。


過去なんて言ってしまえば関係ないんだ。

これからを変えていくのは、いまなんだから。

いままで過ごしてこれなくても、いまのこの時間でこれからの凌玖先輩との関係は変えられる。


だから、もっと凌玖先輩と過ごしたくなった。



「ちょっと歌桜がそちらを向いたからっていい気にならないでください。絶対、過去に積み上げてきたものは裏切らないですから」



キッと凌玖先輩を睨んでから、いつもの顔でわたしを見た。



「教室で待ってる」



それを言い残して、朔夜くんは学園のほうに歩いていった。

〝積み上げてきたもの〟ってなんだろう。


信頼……みたいな?

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