【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
俺が少しでも過ごしたいんだ
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*
「歌桜、聞いてるー?」
3時間目の休み時間。
華恋ちゃんが話をしてくれてるのに、うわの空だった。
「もしかして、藍澤先輩のこと考えてる?」
その声でハッとして我にかえる。
いけない。
ぼーっとしちゃった……!
「ごめんね、華恋ちゃん。ぼーっとしちゃって……」
「歌桜だからいいよ! 思い出すくらい楽しかったってことでしょ?」
それがなにを指しているか、すぐにわかる。
「うん……」
今日は授業にぜんぜん集中できないくらい、凌玖先輩のことでいっぱいで。
抱きしめられた感覚は今でもしっかり覚えてる。
「あらあら、顔真っ赤にしちゃって。デートではなにがあったのさっ」
「そ、それは……っ」