【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
特に約束はしてなかったけど、同じ学園で同じクラスで向かうところが一緒なら自然とそうなってたよね。
凌玖先輩と出会ってなかったら、朔夜くんと登校してたかも。
でも、わたしが登校したいのは凌玖先輩だから。
「ごめんね。凌玖先輩とも約束しちゃったし、わたしが凌玖先輩と行きたいんだ」
いつも一緒にいてくれた朔夜くんには申し訳ないけど……っ。
「……なんで、藍澤先輩がいいの?」
少し低い声で聞かれた。
なんでって……。
「好き、だから」
「っ……」
「凌玖先輩といると、心の奥から楽しいって思えるんだ。それに、わたしが楽しそうにしてると、凌玖先輩も嬉しそうに笑ってくれるの。
これが恋なんだって……気づいたから」