【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
耳をくすぐるような優しい声に、また胸がキュンとした。
すぐに謝ろうと思ったのに、そんなことを感じさせない話しかた。
安心できて、慌ていてたのがウソみたいに落ち着く。
わたしの好きな凌玖先輩なんだな……。
「大丈夫です。さっきは出れなくてすみません」
『ううん、俺が早く話したかっただけだから』
嬉しい……。
こんなに〝わたしとなにかしたい〟って思ってくれるのは凌玖先輩だけだ。
「わたしも一緒です。凌玖先輩とはふたりのときに話したいので、人前で出なくてよかったです」
『俺も、俺のことだけ考えてるときがいいな。まだ友達といた?』
「華恋ちゃんとはバイバイしてました! たまたま家の前で朔夜くんに声をかけられてて」