【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
どこまで心が綺麗なんだろう。
「だから、今は歌桜の気持ちに期待させて」
わたしの気持ちに……。
それは、わたしが凌玖先輩を好きな想いに気づいて言ってくれてる……?
ぜんぜん、わたしが下心をあるように思わせない。
最初からそういう気持ちがあって行きたいと言ったとは思ってないのかな。
それなら、よかった……。
話していたら少しだけ雨が落ち着いてきた。
いつものように、凌玖先輩はわたしの家まで送ってくれる。
家の前まで来れば、優しく笑って「また明日」と言ってくれるから、そんな表情にばかり夢中になってしまって。
凌玖先輩の肩が濡れていたことには気づけなかった。