【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
夕方まではまだまだ時間がある。
学年が違くて教室が離れてるのと、風邪をひいて家で休んで会えないのはぜんぜん違う。
こういうときこそ、わたしから行かなきゃ。
「電話だけじゃ、いやです。放課後、凌玖先輩のところに行きます!」
『え……? 風邪、うつるよ』
「うつってもいいです。それでも会いたいです。凌玖先輩が心配なので、会いに行かせてください……!」
わたしのわがままかもしれない。
わたしの自分勝手な行動かもしれない。
それでも、黙って治るのを待ってられないよ。
『そんなこと言われたら、会いたくてたまらなくなる……』
わたしも、同じです。
だから……行ってもいいですか?