【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。


なんて声をかけたらいいかわからなかったけど、気にしないように伝えた。

目の前にこんなにかっこいい先輩がいたら驚くに決まってるよ。


しかも、わたしの命の恩人で、この学園の生徒会長。


まだ夢の中にいるみたい……。


……あれ?

手が温かい。


意識が少しずつ戻ってきて、ここが保健室ということと、目の前には生徒会長の藍澤先輩がいることがわかった。

そして……。



「先輩っ、手……!」



わたしの手の上に包むように乗せてるのは藍澤先輩の大きくて華奢な手。

こんなふうに男の子に触れられたことがないから、ドキドキしないわけがない。



「歌桜が安心すると思って」

「安心って……えっ?」



……わたしのことを思ってしてくれてる?

< 23 / 391 >

この作品をシェア

pagetop