【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
そう決めて声をかけようとしたら、すでに話し合いが進んでいた。
あ……。
とても話しかけられる雰囲気じゃない。
落ち込んでいないで、早めに約束しておけばよかったな。
ずーんと沈んだまま廊下に出て、メッセージを送ることにした。
スマホに文字を打っていたら、降ってきたのは聞きなれた声。
「歌桜、帰らねぇの?」
見上げれば、朔夜くんが不思議そうに見てきてた。
わたしはうなづいてそれに答える。
「うん。凌玖先輩を待つことにする」
約束してないから、わたしがしたくてやってることだけど。
朔夜くんは、「ふーん」と鼻を鳴らして、少し間を空けてから続けた。
「俺も待ってようかな」