【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
キュッと繋がれた手の力が強くなる。
さっきよりも顔が近づいた。
「そんなこと……言われても」
わたしは、先輩のなにものでもないのに。
癒してあげることもできなくて。
こんな素敵な人の特別になんて……なれない。
「今朝のお願い、いましていい?」
甘えたな声で、顔を覗くように聞いてくる。
助けてもらったお礼の約束のことだ。
「……はい。わたしに、できることなら」
藍澤先輩のためになるようなことがあるならば……。
「歌桜にしかできないことだよ」
柔らかい声が保健室に響く。
ほんとに、そんなことがあるの……?
藍澤先輩と視線が絡んで、まっすぐ見てくれる瞳に目が離せないでいたら、真剣に言ってくれた。
「歌桜が好きなんだ。だから、俺の彼女になって」