【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。


「……はい」



指摘されたってことは、ちょっとは、その……見られた?



「歌桜が可愛くなると、ほかの男が悪い目で歌桜のことを見るから黙ってられなくなるんだよ……。他校にも狙われるし……」



それで、怖い顔してたの……?

……だけど。



「り、凌玖先輩に少しでも可愛いって思ってほしくて……」



せっかくの文化祭だから。

いつもドキドキさせられっぱなしだから、今日は凌玖先輩にドキドキしてほしい。



「じゅうぶんすぎるくらい可愛いよ。可愛すぎて、このまま独り占めしたい」



スッとわたしの頬を優しく包むように手が触れた。

くっきり大きな二重がわたしだけを見つめる。



「可愛い歌桜を、俺だけが見てたい」

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