【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
「そんなこと、ないです。でも、わたし、誰かとお付き合いしたことなくて……」
恥ずかしいけど、正直に答えた。
まだ、誰かを好きになったこともなくて。
恋も知らなくて……。
「俺もだよ」
そう言われて、下を向きかけた顔を上げた。
「藍澤先輩も……?」
こんなにかっこよくて、誰もが心を射抜かれちゃうような魅力を持ってるのに。
「好きだなって、俺が守りたいって思ったは歌桜がはじめて」
藍澤先輩の瞳に揺るぎはない。
まっすぐ、真剣に伝えてくれる。
本当に、わたしのことを好きになってくれたの……?
でも、どうして?
助けてもらったのはわたしのほうで、好きになってもらえるようなこともしてない。