【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
朔夜くんも誰かに言いたいけど言えないことがあるの……?
「つーか、ぜんぜん来ないじゃん。どんだけ歌桜を待たせるんだよ」
時計を見たら、そこそこ時間が経っていた。
……凌玖先輩のことだ。
「設営準備だから仕方ないよ。終わったらまわる約束してるから、ここで待ってる」
きっと忙しいんだ。
別に、あの子といるからとかじゃ……。
「……っは? 泣いてんじゃん」
「えっ……?」
朔夜くんに言われて気づいた。
頬に触れれば、溜まってた涙が溢れていた。
なんで?
わたし……泣いてるの?
「……歌桜、こっち来い」