【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
手に持っていた小さなメモが、飛んでいってしまった。
ヒラヒラと舞って数メートル先のところに落ちていく。
あれがないと学園までたどり着けないのに……!
慌てて取りに行こうとしたら、目の前を猫がかけていった。
まるでパン食い競争をしてるみたいに、そのメモをパッと口でくわえて走っていく。
「ちょ、ちょっと……!?」
持っていかれちゃう……!!
メモを回収するのに必死になって猫を追いかけた。
「待ってよ……!」
身軽そうに逃げる猫とどんどん距離ができていく。
は、早い……!
朝からこんなことになるなんて!
今日はいろいろついてなさすぎだよ……っ。
ひとりで登校して、猫に地図を取られて……。
もしかして、テレビの星座占いの結果が悪かったせい……?
なんて思いながら必死に追いかけて、道路を渡ろうとしたときだった。
ーーププーップーッ