【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
「本当は『そんなんじゃ、俺がもらう』って言ってやりたいけど……。とりあえず、藍澤先輩と誤解を解いて、成績のことを聞くんだな。そっからは……大丈夫だよな?」
「うん。凌玖先輩に本当のことを話して、聞いてみる」
いつも朔夜くんに助けてもらってばかりだね。
「ありがとう、朔夜くん」
「……おう。幸せに……なれよ」
朔夜くんの最後の言葉はわたしに届かず、荷物を持って教室を出た。
凌玖先輩、まだ残ってるかな……。
それを確認するには昇降口だよね。
先にローファーがあるか見てみよう。
そう決めて向かった途中で、凌玖先輩を呼ぶ女の子の声が耳に入ってきた。
「藍澤会長! 今日もお疲れ様です」