【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
そうですけれども……!
〝藍澤先輩〟って呼ぶのだけでもドキドキしてるのに。
えっと、藍澤先輩の下の名前は……。
「凌玖(りく)。凌玖って呼んで?」
「っ……」
すごい緊張する。
恥ずかしくて言葉が出ない……っ。
「歌桜……?」
わたしのことは優しく名前で呼んでくれるのに。
藍澤先輩のために頑張るって決めたじゃんか。
ここは勇気を出して、呼ぶんだ……!
「り、凌玖先輩……?」
言えた……!
この声、届いたよね……?
チラッと藍澤先輩を見たら、わたしと同じくらい顔を真っ赤にしてた。
見られないように手で隠す。
「やば……。けっこう、クるね……」