ただ1人の皇女様
「陛下...申し訳ございません2ヶ月前にクラエス邸に手紙を送ったのですが、手紙が届くには1ヶ月半必要でして、皇宮に迎えっているクラエス伯爵と入れ違いになってしまったみたいです」



クラエス邸から皇宮まで馬車で移動するには体力面もかんがみて1ヶ月半もの時間が必要だった。



だからその手紙はクラエス伯爵が見ることなく邸宅に置きっぱになっているって言うことか...



「恐れながら陛下、私達も知ったのはつい最近の事でしてそれに...」



そう言うとチラッと私を見るクラエス伯爵。




「ここまで来たんだすぐに帰すにも行くまい、少し皇宮でゆっくりして帰るといい。」



足を組み話すパパ



「それでは私はゆっくり帰るとしてエリアーナだけは陛下の元へ置いてもらわないと困るのですが。」



どうしてもエリアーナだけはパパの元に置きたい様子。



パパはどうするんだろう...



「聞いたなら知っているだろう養子の件は破棄だ。それ以上も以下も聞かん。」



「陛下っ!それはあまりにも酷すぎますっ!私の立場もエリアーナの立場も無くなってしまいますっ!」
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