ただ1人の皇女様

領地の人達にも周りの貴族達にも挨拶して皇宮に来たんだ、急にやっぱり皇女になれませんでしたなんて話をしたら周りがなんて言うのか検討がつく。



「はぁ...俺は今機嫌がいい。命拾いしたなクラエス伯爵」



そう言うとパパの黄金の瞳がぎらっと光った。



流石のクラエス伯爵もビクッと肩を揺らした



不機嫌の時や普通の時だった場合きっと伯爵の首は宙に浮いて音を立てていた事だろう。



忘れてはならない、この人は"歴代最恐の暴君"なのだから─



「ではこうしよう。そこの子供がどれだけ俺にとって価値があるか知らしめてみろ。それによって待遇を決めてやる」



エリアーナがどれだけパパに価値があるか...か




「っ！？それはいい案ですっ！エリアーナお前の価値を陛下に見せて差し上げろ！」




「はいっ！おとうさまっ！わたしおとうさまにみとめてもらいますっ！」



そして終始私を睨んでいたエリアーナが花を咲かせたようにパパに笑顔を向けた。



「話は終わりだ。行くぞ」