ただ1人の皇女様
─あれから数ヶ月の時が経った。



エリアーナが目立った事はしていないけどいつもパパの周りをうろうろと歩き回っている。



パパも皇宮に入り浸りになってるしエリアーナは皇宮の間もずっと一緒に居られてひょっとすると私よりパパと居る時間が長い



だけど今日の夜はハクモクレン宮に帰るってラインハルトが言ってたし会いに行こっと!



そして夜はあっという間に来て私はパパの宮に足を運んだ。



大きな重い扉を開けパパの寝室の最上階に向かう



階段を上がりきり角を曲がろうとした瞬間



─ガタンっ...



音がした下を見ると頭だけが私の方を向いていた。



「ひっ!...─」



声が出そうになった口を手で抑え角の先を見る。




「どっ、どうか命だけはっ...!」



─グサッ



私は腰を抜かしガタンっと音を立ててしまった。



「まだネズミがいるのか。早く出てこい殺してやる。」



無機質に歩いてくるパパに私は動けないでいた。



ど、どうしようっ...!私の顔を見ずに首を切られたらっ...!
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