ただ1人の皇女様
やっと解放されたカルヴィアス公子は少しため息をこぼし礼をして会場に戻って行った。



「クラエス令嬢もお戻りになって」



2人きりも気まずいし、なんていっても凄い形相で睨んでくるし...



「あんた...調子に乗るのもいい加減にしなさいよっ...ぽっと出のあんたに邪魔されなければ今頃私が皇女になって皆にチヤホヤされてたのにっ!」



やっとエリアーナが本性を出して私に言ってきたわね...



「あら、調子に乗ってるのは誰かしら?私は居るべき場所に居るだけよ。」



お互い10歳なのに口調が大人っぽ過ぎるけど私は前世と転生前を合わせたら結構な大人なんだから仕方ない。



「あんたはフィオナ伯爵に養ってもらうはずだったのにっ!」



ある人物の名前を聞き私は戸惑いを隠せなかった。



なんでここにフィオナ伯爵の名前が出るの...?



もしかしてエリアーナも前世の記憶を持ってたりして...いや、考えすぎだよね、、



でもそれじゃなんでその名前が...今の私はフィオナ伯爵とは1度たりとも関わった事が無いのに



聞いてみるしかないよね...



「...何故フィオナ伯爵の名前が出るの?」

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