相性がいいみたいなのですっ
***
「これ、実は中本さんからなんです」
お酒30mlに牛乳90mlを注いでマドラーでよく混ぜてから、氷を数個落とす。
「中本さんから! ――すごく甘い香りのするお酒なのですっ」
僕が差し出したタンブラーを矯めつ眇めつしてから匂いを嗅ぐと、日織さんがそう言ってにっこり微笑まれる。
過日一緒に日本酒を飲んだ時みたいにちゃんと夕飯は腹に収めた後だし、何なら風呂だって先んじて済ませておいた。
「日織さんとどっちが甘い匂いでしょうね?」
言って、日織さんの洗いたてのサラサラの髪の毛に口付けたら、「恥ずかしいのですっ」とうつむかれて。
彼女が身をよじった瞬間、タンブラーの中の氷がカラリと音を立てた。
「飲まれないんですか?」
そのままカクテルを手に固まってしまった日織さんを、そっと促す。
「しゅ、修太郎さんは……」
僕が何も飲まないことが気になっていらっしゃるらしい日織さんに、「じゃあ僕は風呂上がりのビールかな」と350ml缶を冷蔵庫から取り出して、ビールグラスに注いだ。
「乾杯」
日織さんの小さな両手に包まれた平底のグラスに、琥珀色に泡の被さった細身のグラスを合わせると、一気に飲み干した。
風呂上がりの身体に、よく冷えたビールはやはり旨い。
僕のその様子を見て、日織さんが意を決したように乳白色のカクテルに口をつけた。
「わぁー。甘くて美味しいのですっ」
最初は恐る恐るだったけれど、案外飲みやすかったのかな?
そのままコクン、コクンと小さく喉を鳴らされて。
僕はその様子を見て、やはり日本酒だけじゃなく、アルコール類全般に対して強くなられたのかな?と思う。
まぁ、日本酒のアルコール度数10度超えに対して、このカクテルは4度未満だ。
酔われるわけないか。
「これ、実は中本さんからなんです」
お酒30mlに牛乳90mlを注いでマドラーでよく混ぜてから、氷を数個落とす。
「中本さんから! ――すごく甘い香りのするお酒なのですっ」
僕が差し出したタンブラーを矯めつ眇めつしてから匂いを嗅ぐと、日織さんがそう言ってにっこり微笑まれる。
過日一緒に日本酒を飲んだ時みたいにちゃんと夕飯は腹に収めた後だし、何なら風呂だって先んじて済ませておいた。
「日織さんとどっちが甘い匂いでしょうね?」
言って、日織さんの洗いたてのサラサラの髪の毛に口付けたら、「恥ずかしいのですっ」とうつむかれて。
彼女が身をよじった瞬間、タンブラーの中の氷がカラリと音を立てた。
「飲まれないんですか?」
そのままカクテルを手に固まってしまった日織さんを、そっと促す。
「しゅ、修太郎さんは……」
僕が何も飲まないことが気になっていらっしゃるらしい日織さんに、「じゃあ僕は風呂上がりのビールかな」と350ml缶を冷蔵庫から取り出して、ビールグラスに注いだ。
「乾杯」
日織さんの小さな両手に包まれた平底のグラスに、琥珀色に泡の被さった細身のグラスを合わせると、一気に飲み干した。
風呂上がりの身体に、よく冷えたビールはやはり旨い。
僕のその様子を見て、日織さんが意を決したように乳白色のカクテルに口をつけた。
「わぁー。甘くて美味しいのですっ」
最初は恐る恐るだったけれど、案外飲みやすかったのかな?
そのままコクン、コクンと小さく喉を鳴らされて。
僕はその様子を見て、やはり日本酒だけじゃなく、アルコール類全般に対して強くなられたのかな?と思う。
まぁ、日本酒のアルコール度数10度超えに対して、このカクテルは4度未満だ。
酔われるわけないか。