相性がいいみたいなのですっ
「しゅ、たろ、しゃん。(わらち)やっぱり日本酒……以、外()と……()め、みたい()しゅ」


「――そのようですね」


 僕はふにゃ〜ん、と(とろ)けたようになった日織(ひおり)さんを抱き上げると、寝室までお連れした。



「ねぇ、()()。今日は僕の勝ち、でいいですよね?」

 ベッドの宮棚に眼鏡を置いて、日織さんのパジャマのボタンをひとつ緩める。

 ついでのように2つ目も外しながらそう問いかけたら、「(じゅ)るいの()す。こうなるの、分かってらした(くしぇ)に」と、潤んだ瞳をした日織さんが、僕の頬に力なく触れていらして。

 僕はその手をそっと包み込みながら、にっこり微笑んだ。

「バレていましたか」


 ねぇ日織さん。
 どうやら今日も獺祭(だっさい)はお預けのようですね?

 思いながら、僕は日織さんの甘さを纏った唇にそっと口付けた。


      END(2021/01/03)
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