旦那様は征服者~慎神編~
「莉杏!!?」
「……っ…大丈夫…」
「も、申し訳ありません!!」
慌てて莉杏の膝を拭こうとする、店員。
「莉杏に触るな!!!」
「あ…も、申し訳ありません!」
店員から奪うように、おしぼりを取る慎神。
「莉杏!!?大丈夫!?」
優しく拭き取る。
少しだけ、膝が赤くなっていた。
「うん…」
「赤くなってる……」
慎神が、怒りに包まれていくのがわかる。
その間、店員はおどおどしている。
莉杏は、恐ろしいことになる予感がして思わず身体を震わせた。
「ほんと、大丈夫だよ!」
「そんなわけないだろ……」
「え……ほ、ほんとだよ!だから、怒らないで?慎神くん」
莉杏は落ち着かせるように、慎神に微笑んだ。
「莉杏は優しすぎる」
「でも、ほら!せっかくのデートだし…こんなのは、嫌だな……」
「………わかった」
少しだけ、慎神が落ち着きを取り戻した。
「少し、スカート汚れたからお手洗いで拭いてくるね!」
莉杏は個室を出た。
「オーナー、呼んでこいよ……」
莉杏がいなくなった後、一言呟くように言った慎神。
すぐに、オーナーが駆けつけてきた。
深々と頭を下げる。
「天摩様、本当に申し訳ありません!
奥様のお怪我は、大丈夫でしょうか?」
「左膝ヤケドしてる。莉杏はたいしたことないって言ってたけど、本当は痛みがあるはず」
「では、すぐに救急車を……」
「いらない」
「では、奥様のお召し物の弁償と病院代を払わさせてください。奥様にも再度、謝罪をさせていただきたいんですが、よろしいでしょうか?」
「君は、ほんっとできる男だね」
「え?」
「この無能とは、大違い。
大変だよね。無能との仕事は」
先程の女性の店員を睨み付けて言った。
「あ、いえ…」
「無能な人間は、絶たないと……君が大変な思いをするよ?」
「天摩様…」
「僕なら、そんな人間いらない。
でもここは君の店だから、僕は口出せないけど。
莉杏への謝罪もいらない」
そこへ、奏瑪が入ってくる。
「慎神様、救急用品を持ってきました」
「うん。オーナー、もういいから下がって!」
「はい。本当に申し訳ありませんでした。
失礼いたしました」
オーナーと店員が、個室を出るとちょうど莉杏が手洗いから帰ってきた。
「奥様!先程は、本当に申し訳ありませんでした!」
店員が、莉杏に駆け寄り謝罪する。
今にも泣きそうな表情をしていて、莉杏は胸が締め付けられる。
「あ…」
(ど、どうしよう…大丈夫ですよって言ってあげたい。
でも、ここで話をすると……慎神くんを怒らせるし……)
「おい!奥様に気安く話しかけちゃダメって言ったよな!?」
慌ててオーナーが店員を止め、莉杏に無言で頭を下げ去っていった。
「……っ…大丈夫…」
「も、申し訳ありません!!」
慌てて莉杏の膝を拭こうとする、店員。
「莉杏に触るな!!!」
「あ…も、申し訳ありません!」
店員から奪うように、おしぼりを取る慎神。
「莉杏!!?大丈夫!?」
優しく拭き取る。
少しだけ、膝が赤くなっていた。
「うん…」
「赤くなってる……」
慎神が、怒りに包まれていくのがわかる。
その間、店員はおどおどしている。
莉杏は、恐ろしいことになる予感がして思わず身体を震わせた。
「ほんと、大丈夫だよ!」
「そんなわけないだろ……」
「え……ほ、ほんとだよ!だから、怒らないで?慎神くん」
莉杏は落ち着かせるように、慎神に微笑んだ。
「莉杏は優しすぎる」
「でも、ほら!せっかくのデートだし…こんなのは、嫌だな……」
「………わかった」
少しだけ、慎神が落ち着きを取り戻した。
「少し、スカート汚れたからお手洗いで拭いてくるね!」
莉杏は個室を出た。
「オーナー、呼んでこいよ……」
莉杏がいなくなった後、一言呟くように言った慎神。
すぐに、オーナーが駆けつけてきた。
深々と頭を下げる。
「天摩様、本当に申し訳ありません!
奥様のお怪我は、大丈夫でしょうか?」
「左膝ヤケドしてる。莉杏はたいしたことないって言ってたけど、本当は痛みがあるはず」
「では、すぐに救急車を……」
「いらない」
「では、奥様のお召し物の弁償と病院代を払わさせてください。奥様にも再度、謝罪をさせていただきたいんですが、よろしいでしょうか?」
「君は、ほんっとできる男だね」
「え?」
「この無能とは、大違い。
大変だよね。無能との仕事は」
先程の女性の店員を睨み付けて言った。
「あ、いえ…」
「無能な人間は、絶たないと……君が大変な思いをするよ?」
「天摩様…」
「僕なら、そんな人間いらない。
でもここは君の店だから、僕は口出せないけど。
莉杏への謝罪もいらない」
そこへ、奏瑪が入ってくる。
「慎神様、救急用品を持ってきました」
「うん。オーナー、もういいから下がって!」
「はい。本当に申し訳ありませんでした。
失礼いたしました」
オーナーと店員が、個室を出るとちょうど莉杏が手洗いから帰ってきた。
「奥様!先程は、本当に申し訳ありませんでした!」
店員が、莉杏に駆け寄り謝罪する。
今にも泣きそうな表情をしていて、莉杏は胸が締め付けられる。
「あ…」
(ど、どうしよう…大丈夫ですよって言ってあげたい。
でも、ここで話をすると……慎神くんを怒らせるし……)
「おい!奥様に気安く話しかけちゃダメって言ったよな!?」
慌ててオーナーが店員を止め、莉杏に無言で頭を下げ去っていった。