旦那様は征服者~慎神編~
「フフ……ハハハッ…!!
いいよ、許してあげる。
その言葉、最高だよ!」
髪の毛をかき上げ笑い出した、慎神。
莉杏を力強く抱き締めた。

「慎神くん?」
「その代わり、これっきりだよ?」

「え?」
腕を解き、莉杏の顔を覗き込む慎神。

「次、僕から“安心”を奪ったら、もう……部屋に閉じ込めて監禁する。
本当に、僕なしでは、生きれないようにするから」

「慎神くん……」

「だって……僕はもう、とっくに…
莉杏なしでは、生きれないんだよ?
僕を、一人にしないで?
ずっと…傍にいて…?
お願い……お願いだよ……!」

慎神はすがるように莉杏に言って、口唇を寄せた。

莉杏は慎神を抱き締め、頭を撫でた。
「うん…ごめんね……」

その姿に莉杏は“あぁ…この人は、私がいないとダメなんだ”と変な責任感のようなものが芽生え始めていた。

その莉杏の行為に慎神も抱き締め返し、ニヤッと妖しく笑う。

もう少し………
もう少しで、莉杏の洗脳が完了する━━━━━━



屋敷に帰り、ベッドに直行する。
「慎神くん…お風呂……入り、たい……」
「ん…ダーメ…待てない……」
口唇に食らいつくように重ねてきた、慎神。

そのまま貪られた。

「んぁぁ……やめ…慎神く…はぁ…お願…」

身体中に慎神の口唇や舌や歯が乱暴に食らいつく。

「ほら、莉杏……
頑張って僕の受け止めて…!
早く、安心させて!」
「んんっ…!!
やぁ……んぁぁ……」

日が完全に登ってやっと、解放された莉杏。
慎神もさすがに疲れて、莉杏の横に寝転んだ。
莉杏は失神していて、目を瞑っている。
目の横には、何度も泣いたのだろう。
涙の跡があった。
慎神は優しく莉杏を目元を拭った。
「なんで、莉杏って……こんな…綺麗なの…?」

こんな犯されるように抱かれてぼろぼろなのに、莉杏はとても綺麗だ。

身体中にキスマークと歯形があり、慎神の莉杏に対する狂愛を物語っているようだった。

「莉杏…好き…」
「………」
「………大好き…」
「………」

「ただ…傍にいたいだけなんだ……
本当に…それだけなんだよ……?」
慎神の切ない声が、ベッドルームに響く。

「……し…じんく…」
「莉杏…?」
「大丈夫だよ…」
「莉杏?」
「大丈夫…傍に……いるよ?」
「莉杏…」
「だから…そんな……悲しそうに…しないで…?」
「莉杏…うん……愛してるよ…」

慎神が莉杏をゆっくり起こして抱き締めた。
頭をゆっくり撫で腕を緩めて、莉杏の頬を撫でて口唇を重ねた。
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