愛毒、有名人はあの子。
それからあたしの唇は峰くんのものに
なってしまった。
「ん…ふぁ…ぁん…んん…ぃや…んぁ」
「離さねぇ」
息までもが苦しくなる。
人生経験から、あんなことまでしたことだってある。
仕事だったから…、しょうがなかったんだ。
プライベートでは、初めてのキス。
近くにあるイスに押し倒された。
女とは、
どうも…か弱くて、流されてゆく生き物だ。
これを恋と言いきれるのか
なんなのだろう。
あたしはどこへ… 流されてゆくのだろう。
「みっ、峰くぅん…ふぁ…んぁ…ぃぁん…」
「何?夏純…」
「も…ぁあ…もう…んっダメぇ…はぁん…ん」
「俺はダメじゃない」
「キスばっかしないで♪」
「そんなこと言ったら俺…」
峰有斗と名乗る男は、あたしに弱かった。
そしてあたしも
強くなかった。
何も、自分を大切にしたかったワケでもなかった。
どうでもいい。
気持ちは高ぶるばかり。
最低で、最悪で、最強になるばかり。