愛毒、有名人はあの子。
「あたしもだよ、有斗」
お返しに耳元で囁いた。
すぐ真っ赤になる有斗を見て、少しだけ
…好きかもって思った。
――――あ、嵐…
「…っ、夏純!」
もう撮影の準備は進んでいた。
あたしもそろそろメイクを…と思うと嵐が声をかけてきた。
「嵐…どしたの?」
半分とぼけて言ってみる。
でも嵐は初めて見たときの目より真剣だった。
…な、んで
そんな目で見んのよ…
反対にあたしが困るわ…
「お前、有斗と何してた?」
「…へ?…ああ、さっき?
走ってたらぶつかって、喋ってたわよ。
それがどーかした?」
あたしと有斗の2時間のことはあえて言わない。
「…っ、それ以外。どっか連れ去られた後!」
怒鳴られた。
初めて…嵐があたしにキレた。
なっとくはいかなかったけど、反抗する気にならなかった。
「kiss とか H してたけど?」