ワスレナグサ。〜忘れたくない君との恋〜
だけど、
現実は上手くいかなくて。
2年にあがったら、
先生が担任になった。
1年生の時よりも、
格段に近くなる距離に、
毎日胸が躍った。
「松村!ごめん手伝って!」
「はあい」
日直の日は、必ず先生のお手伝いが出来る。
それだけで幸せだった。
「あんた、ニヤニヤし過ぎ!バレバレ!」
先生を見つめる私に、
ウメちゃんはいつも「やめな!」と言う。
だけど、
本当は私の想いを知って黙って見ててくれる
大切なウメちゃん。
「ほら、あたしの顔見てないで、
出欠とってる王子の顔でも見てな!」
「はあい」
その日は、とても暑い、暑い、
夏の日だった。