ワスレナグサ。〜忘れたくない君との恋〜
「ど、どうして私の名前...」
「そりゃもちろん」
「先生だから」
再び微笑んで、
先生はサッカーボールを磨き始めた。
すごいドキっとしちゃった。
普段近づけないし、
こんな機会もないからと、
私はミーハーな気持ちで先生に声を掛けた。
「先生、手伝いましょーか??」
「お?まじ?...や、でも制服汚れちゃうからな。大丈夫だよ、ありがと。」
「制服なんて洗えばいいもん!」
あっ...
思わずムキになって駄々こねちゃった。
変な生徒って思われたかな...
「ぷっ...食い下がるねえ!そんなにサッカーボール磨きたいの??...わかった、じゃあ手伝って。俺のジャージ着な」
私の言葉に、ケタケタと笑って、
先生は自分のジャージを私にかけた。
それも、ふわっと
時が止まったみたいに。
そして、ふんわり柔軟剤の香りがした。