ワスレナグサ。〜忘れたくない君との恋〜


「お!?まだ居たのか!?」


再び体育教官室に戻ってきた先生は、
私が居ることに凄く驚いていた。


やっぱり迷惑だったよね...


「あ、先生、すいません。私帰ります!」


「おお。ごめんな、助かったよ」


さっきと違って、全然元気がない。


「先生...何かあったんですか?」


辛そうな背中に、
思わず声を掛けてしまった。


「ん?何でもないよ。生徒に心配されるようじゃ、俺もまだまだだな!」

先生はそう言って、悲しそうに笑った。


私は、

その日の先生の顔がどうしても忘れられなくて、

笑顔も会話も、悲しそうな背中も、全部


あの日から全部忘れられなくて。


次の日直が待ち遠しくてたまらなかった。


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