放課後、先生と秘密の時間。
あなたのことが好きなんです
「えー、だから、このXはこの式に代入することで………」
先生の声が静まり返った教室に響き渡る。カツカツとリズムよく黒板にチョークを打ち付けていく。
ふわぁ………眠い。眠すぎる。
どうしてお昼を食べたあとの授業はこう眠たくなるんだろう。
私は午後の授業を眠気と戦いながら首を揺らしていた。
「ちょ、琥珀、大丈夫?めっちゃ眠そうだけど……」
前の席に座る、友達の由美が小声で話しかけてくる。
先生は話している私達には気づいていないらしい。教科書を片手に問題の解き方の説明をしている。
「あはは……大丈夫。いつものやつだから……」
「え?それ、ほんとに大丈夫なの?」
私の返事を聞いて怪訝そうに眉をひそめる。
「大丈夫!だって、数学の授業だよ?私、奥山先生のこと好きだもん。寝るわけにはいかないよ」
先生を見ながら、熱弁してしまう。
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