放課後、先生と秘密の時間。

そんな先生は私は大好きなんです。



「琥珀ー!今日は用事あるから先に帰るね!バイバイ!」


「わかったー。気をつけてね!」



由美はカバンを背負うと慌ただしく教室を出ていく。その姿を見送ってから私も帰り支度を始めた。


んだけど、



「高橋ー!ちょっと、来てくれるか?」


「………?はい!」



数学の先生で、担任でもある私の大好きな奥山先生に呼び出された。


なんだろう。


不思議に思いながらも、手を止めて廊下に出た。



「こっちこっち。悪いな、帰ろうとしているところ」


「いえ。私は大丈夫ですけど……」



授業が終わって少したったあとだからか廊下には人が行き交っていて騒がしかった。


先生はそのことに、目もくれずいつもの低い声で淡々と話す。


私は先生と話すことが出来て頭の中はお花畑状態。まさか、放課後に先生と話ができるなんて思ってなかったから最高のご褒美だよ。
< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop