放課後、先生と秘密の時間。

だから私は卒業式までこの気持ちは隠し通すって決めた。先生には迷惑をかけたくないから。


その代わりに、由美に私の気持ちを話しているんだ。



「じゃあ、この順番でホッチキスで資料を止めていってくれ」


「わかりました!」



第一資料室につき、パイプ椅子を引っ張ってきてそこに座る。


この教室は資料を保管しておく部屋でとても狭い。


テーブルはかろうじてあるものの、せ、先生と並んで座ると肩が触れそうなほど近くてドキドキが止まらないんてますが!


口から飛び出そうな心臓を落ち着かせようと深呼吸を何度も繰り返す。


落ち着け、落ち着け………私。



「高橋、数学の勉強はついていけてるか?」



シーン………と静まり返った教室で、先生がふと口を開く。


放課後の資料室は夕日に照らされていてセピア色に染まっていた。


そのセピア色がなんだか雰囲気を作ってくれる。
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