ラヴシークレットルーム ～日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・

【Hiei’s eye: You & I 】

【Hiei's eye: You & I 】


これは陽菜が生まれて初めて迎える冬の頃の話。

新生児仮死状態で生まれてきた陽菜だけでなく
分娩時に羊水塞栓症という病気を発症し、生死を彷徨った伶菜もこの頃にはかなり体調が戻ってきていた。


この日、帰宅したのは午後10時。

本当なら日勤の定時で上がる予定だったが
緊急で運ばれてきた妊婦さんの緊急帝王切開を行っていたからこんな時間になってしまった。



「ナオフミさん、24日ってやっぱり仕事・・・だよね？」



授乳を終えたばかりでまだ起きていたらしい伶菜が夕飯のクリームシチューを鍋から皿によそいながら俺に尋ねてきた。



『ああ。若手ドクターが一斉に休暇希望出してきて、部長から頼まれてな。ゴメン。』

「ううん、いいの。今は私も仕事してないから、ナオフミさんの休日には確実に一緒にいられるしね。」



陽菜を産んでからまだ１年経っていない伶菜
ウチの病院の臨床心理士だが、現在は育児休暇中

まだ乳児の陽菜の授乳で大変そうな中でも
祐希との触れ合いも大切にしている


もちろん
たまにしかない俺の休日にも
授乳とかでろくに眠れていないだろうに


それでも俺との時間も大事にしてくれている


そんな伶菜は
ウチの中を柔らかく照らす太陽みたいな存在