ラヴシークレットルーム ~日詠医師の溺愛クリスマスイヴは・・・
その出来事があった以前にも、産婦人科医師になって良いのか悩んでいた美咲を抱きとめたりして伶菜の誤解を招くようなことをしているわけだし・・・
その頃も伶菜が手の怪我で入院したり、俺自身も半端ない多忙ぶりでお互いにすれ違い状態なのに、
そこに美咲だけじゃなく、森村まで絡んできて
結構悩んでいたよな
『ホント、いろいろあったし、今でもいろいろあるよな。』
当時は彼らの居る中で伶菜とどう向き合っていいのか考えるのに必死だったけれど
今となってはもう・・懐かしいという感覚
なんだかんだ言っても彼らとの関係も
今の伶菜と俺にとってなくてはならないものだから
『美咲に、森村か・・・・』
伶菜や子供達との賑やかな朝食を終えて出勤し、産科病棟のナースステーションの電子カルテ上で今日の外来診察予約画面を確認している最中にもまだそんなことを考えていた俺。
「へぇ~美咲先生と森村先生ってデキてるんですか?」
『・・・・・・・?』
そこに声をかけてきたのは
このナースステーションをいつも活気づかせてくれている看護師の谷本さん。
ニヤリと不敵な笑みを浮かべるところなんかは、彼女のとある上司を彷彿とさせる。
「伶菜さんを独り占めしている日詠先生に対抗した森村先生に美咲先生を取られてしまって、ちょっと落ち着かない・・・・ってとこですか~?」
『・・・・谷本さん?』
なんだ、それ
美咲に森村という組み合わせがあり得なさそうなのに
その状態に俺が落ち着かないって
育児休暇中の伶菜がハマっているらしい昼ドラってやつのストーリーみたいな話だな
もし美咲がこれを聴いてたりしたら、睨まれるぞ
「森村先生は“生涯レイナ推し”らしいですから、私とかナシだと思いますけど。」
「うわ!!!!美咲センセ?!!!!!!!いや、だって日詠先生が美咲に森村かって呟いていらっしゃったんで・・・」
火の粉が飛んで来る・・・
普段は大人しい美咲を怒らせたら、多分、一応先輩という立場の俺でもどうしたらいいのかわからない